OLYMPUS SZX12によるチップ写真撮影の手順

Information

VLSI評価室に設置されている低倍率顕微鏡撮影装置 (オリンパス SZX12) を使用して、チップ写真を撮影するための手順について解説します。この装置は、比較的大きい数mm程度のものを撮影するのに適しています。微細なデバイスやTEG写真など、高倍率撮影が必要な場合は、隣に設置されている顕微鏡(OLYMPUS BX-60M)のほうが適しています。

Contents

  1. 準備
  2. 電源・チップの設置
  3. フォーカス・倍率調整
  4. 撮影
  5. 終了
  6. プリントアウト

準備
  1. ベアチップまたは蓋を外したチップパッケージ
  2. スマートメディア(3.3V, 2 - 128MB)
チップの取扱いには、Vacuum Pick という工具(図1)があると便利。スマートメディアは、机の引出しに予備が置いてあるので、これを使用しても良いが、研究室でコピーして、必ずデータを消去してから返却すること。32MBのスマートメデイアに、SHQ (Super High Quality)の場合、TIFFフォーマットならば3枚、JPEGフォーマットならば14枚程度の写真が保存できる。スマートメディアは、コントロールボックス右側面の蓋を開いて挿入する(図2)。
Vacuum Pick
図1 Vacuum Pick
Smart Medeia Drive
図2 スマートメデイア挿入口

[注意] スマートメディアへのアクセス中は、CARD LEDが点滅する。CARD LEDの点滅中にスマートメディアを取り出したり、電源の切ると故障の原因となるので、注意すること。
CARD Access LED
図3 CARD LEDの点滅に注意

電源・チップの設置

  1. カメラ (DP12)の電源投入(図4)
  2. 顕微鏡光源 (LG-PS2)の電源投入
  3. ステージにチップを設置
大切なチップを静電破壊しないよう、試料台に置く際は、体の静電気を放電しておく。心配なら、LSIテスター用の除電ブロワを借りよう。
Power Switch
図4 電源スイッチ

フォーカス・倍率調整

  1. 光源強度つまみを0時付近まで回す(図5)
  2. 本体右側で接眼レンズ前方にある引き出しつまみを引き出すとカメラのコントロールボックスの液晶モニタに顕微鏡像が映る
  3. 像が暗い場合は対物レンズの先端のフィルタのつまみを回転させ、適当な明るさに調整する
  4. チップの中央付近が液晶モニタに表示されるように試料台の位置と角度を調整(図6参照)
  5. 最大倍率 (90倍) にして(図5参照)、接眼レンズを覗いてフォーカスを合わせる
  6. コントロールボックスの液晶モニタで、IOバッファが両端に少し見える程度に倍率を設定(2.5mm角の場合、30倍程度)。撮影してみて、写真からはみ出すようなら、後で調整しなおす
  7. 像が丁度中央に来るように試料台の位置と角度を再度調整
  8. 接眼レンズを覗きながら、絞りを調整する(図5)。チップ全体が均一な明るさで暗くなりすぎないようにする。分からない場合は全開でもよい
Microscope Body
図5 本体の各種つまみ
Stage
図6 ステージ

撮影

  1. コントロールボックスのMENUボタンを押して、Q(Quality), WB(White Blance), ISO, SHQ setup の設定を確認する。通常は、Q = SHQ(Super High Quality), WB = 四角, ISO = 50, SHQ setup = JPG でよい
  2. コントロールボックスの液晶パネルで、REC MANU をカーソルが指していることを確認。違っていたら MODE ボタンでカーソルを REC MANU に移動させる
  3. コントロールボックスの液晶パネルで、FRAME数が残っているか確認。FRAME = 0 なら、スマートメディアを交換するか不要な写真を削除する。
    データの削除は、MODEボタンでPLAYモードに移動し、カーソルで不要なデータを表示させ、ERASEボタンで削除
  4. コントロールボックスの液晶モニタの顕微鏡像を見ながら、画像が適度な明るさになるように、カーソル(左右)で、EXP.TIME(コントロールボックスの液晶パネルに表示される)を調整する
  5. EXPOSE ボタンで画像取り込み。CARD LEDの点滅が止まるまで待つ
  6. MODE ボタンで PLAY モードにカーソルを移動し、上手く写ったか確認。絞りとEXP.TIMEを何段階か変化させて、数枚撮影しておくとよい
Control Box
図7 コントロールボックス

終了

  1. 倍率を下げる
  2. 光源強度のつまみを最小にする
  3. CARD LEDが点滅していないことを確認して、スマートメディアを取り出す
  4. 光源とカメラの電源を落とす
  5. 顕微鏡にカバーを掛けておく
  6. VDEC-UGのwikiに終了報告を記入するのを忘れないように

プリントアウト

写真プリントクオリティのプリンタ (CAMEDIA D-330N)が、撮影装置の横に設置されているので、自由に使用してよい。但し、消耗品が無くなったら、管理者にすぐ報告すること。

  1. ビデオケーブルでプリンタのビデオ出力とテレビのビデオ入力を接続する(カメラからプリンタへもプリントアウトできるが印刷品質が低くなる)
  2. プリンタとテレビの電源を投入
  3. スマートメディアをプリンタに挿入
  4. テレビにスマートメディア内のデータが映るので、プリントしたいデータを選ぶ。選択データの変更は、プリンタのカーソルボタンで行う
  5. プリンタのPrintボタンを押すと印刷される


Copyright: Akio Kitagawa, MeRL@Kanazawa Univ.
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