6. I-V測定の記述

複数台の計測器を用いる場合の例です。素子の直流電流-電圧特性は、半導体パラメータアナライザを使用して正確に測定することができますが、ここでは、手持ちの電圧源と電流計で、DCテストを行うための簡単な測定系を組んでみます。

  1. 計測器の概要
    YOKOGAWA 7561 直流電源とHP 34401A マルチメータを使用します。YOKOGAWA 7552(マルチメータ)を使用すると、HP 34401Aより高精度な電流計測ができますが、計測器ドライバが入手できないようです。

    [参考] IEEE488インタフェースを備えている計測器であれば、ドライバが用意されていなくても、GPIBコマンドを直接送信してPCから制御できます。関数パレットより、測定I/O>GPIBの中の、GPIB書き込み、GPIB読み取り、GPIBトリガなどの関数ブロックを使用してGPIBコマンドやデータを送受信します。GPIBコマンドの使用例は、計測器のマニュアルに載っているので、殆どはそのままコピーして使えます。この場合、IEEE488BUS制御レベルの通信処理を意識する必要はなく、非常に簡単ですから、ドライバがないから使えないと言わないで下さい。

  2. ブロックダイアグラムの作成
    ここでは、C-V測定のページを読んだことを前提として、違うところだけ説明します。

    1. 7651の制御
      • 制御BUSやステータスBUSがない。
      • VISAリソースネームの形式ではなく、整数値でGPIBアドレスを入力するようになっている。
      • 電圧値を与えると、トリガを与えなくてもすぐに出力が行われる。
      • 安全のため、測定が終わり、ループを抜ける時に、OutputをOFFにするようにロジックを組んでおく。
    2. 34401Aの制御
      • 積分時間の設定は、電源周期の整数倍に設定する。電源周期の整数倍で積分することにより、電源周波数にゼロ点が発生し、ハムノイズがキャンセルされる。
      • 電圧を変更した後、遅延時間をフラットシーケンスに設定してから、測定(Read)を行う。電圧ステップによる過渡現象を避けるためである。

      [参考] C-V測定では、装置自体についていた遅延トリガ機能を使用したため遅延時間の挿入は必要ありませんでしたが、一般的に、複数の測定器を使用する場合には、出力値の変更と測定実行の間には遅延時間の挿入が必要です。

    Block Diagram

  3. フロントパネルの作成
    C-V測定の場合と特に違いはない。電流測定データはレンジが広いので、グラフの縦軸を対数目盛にしてもよい。ただし、電圧掃印範囲を正のみに制限する必要がある。

    Front Pannel


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