4 タイミングテスト

タイミングテスト(AC Measurement とも言う)では、下記の情報を得ることができます。

4.1 波形の設定

タイミングテストは、1サイクル内の波形変化を用いて測定が行われるので、時間の測定範囲に応じて、Cycle Time を長くして行います。先ず、実習用8bitカウンタの(dataのロードに対する)サンプル/ホールド時間の測定を行うため、IMS Link の実習で作成した設定を読み込んで、Screens → Operating Conditions で次の変更を加えてください。

  1. Cycle Time = 2.000us
  2. clk:
    Format = RZ, Delay = period()/2, Width = period()/2
  3. data:
    Format = RZ, Delay = 500ns, Width = 1.5us
  4. cout:
    Delay = period()*3/4
  5. qout:
    Delay = period()*3/4
Operating Conditions for Setup/Hold Time
図4.1 Operationg Conditions. この表示画面は、実習での設定と異なるので注意

4.2 Pattern Control の設定

機能テストで使用したパターンを図のように変更してください。サイクル内の波形を変化させて、機能テストの結果どおりになるかどうかで、エラーを判定するので、この段階でエラーがあるとタイミングテストはできません。パターンの修正が終わったら、Start System ボタンで機能テストを実行して、エラーがないことを確認してください。

Pattern Control for Setup/Hold Time
図4.2 Pattern Control

図4.1、図4.2の設定に対するタイミングテストでの波形は、図4.3の波形のようになります。dataをクロックエッジでロードするためのセットアップ/ホールド時間を測定しています。パターンコントロールでは、同じ波形を4回繰り返していますが、dataの値を変えながら多数回繰り返したほうが正確に測定できます。

Setup/Hold Time
図4.3 セッットアップ/ホールド測定のテスト波形

4.3 AC測定の実行

メニューから、Screens → AC Measurements を選択すると、図4.4のAC Measurements ウインドウが現れれます。ここで、次の設定を行ってください。

  1. Measure:
    中/右クリックで Setup/Hold Time を選びます。
  2. Measure Group
    入力データのグループ (data)を選びます。
  3. Reference Group
    基準クロック (clk)を選びます。
  4. Edge
    中/右クリックで、基準となるクロックエッジを選択します。エッジの位置は、下の、タイミングチャートに表示されます。
  5. Search Range, Test Limits
    図4.5, 4.6を参照して設定してください。
※ 1サイクルの時間は、Operating Conditions ウインドウで設定した値となります。

同様にして、ホールド時間の方も設定してください。

下の Start Measurements ボタンをクリックすると測定が行われます。測定に失敗すると、先頭にeマークがつきます。成功すると、Result フィールドに数値が表示されます。

AC Measurements
図4.4 AC Measurements ウインドウ

Setup Time Measurements
図4.5 セットアップ時間測定の設定

Hold Time Measurements
図4.6 ホールド時間測定の設定

4.4 伝搬遅延時間の測定

Propagation Delay(伝播遅延時間)の測定では、Search Range の範囲内で、Compare グループのEdge位置(ストローブ)を変化させて、エラーの出ない範囲を自動的に探します。ここでは、clkの立ち上がりエッジに対して cout が出力(qout = FE → FF)されるまでの時間を測定します。

この測定のためのPattern Controlウインドウの設定例を図4.7に示します。これに対応するタイミングチャートを図4.8に示します。また、このときの、第3サイクル内での波形は、図4.9のようになります。Search Range を適当に設定して、測定してみてください。測定例を図4.10に示します。
Pattern Control
図4.7 Propergation Delay 測定用パターン

Pattern Control
図4.8 Propergation Delay 測定用パターンのタイミングチャート

Pattern Control
図4.9 Propergation Delay の設定

Propagation Delay
図4.10 Propergation Delay 測定例



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