4 画像モード

E1380A には、各種の画像モードがあります。ここでは、よく使用する3種類のモードについて説明します。

先ず、Image Control ウインドウのメニューで Image → Average → 256 を選択して、実習用チップの遅延バッファの部分を拡大表示してください。この遅延バッファは、20段のインバータ(右側のこげ茶色部分)が従属接続されており、各段の間は、数回折り返された長い線路で接続されています。図1.1の写真で、四角い平面に見えている部分は、段間の細長い配線が折りたたまれている部分で、数ターン毎にインバータを通過して位相が180度反転します。この画像を下記の各モードで観察して、違いを確かめてください。

4.1 スタティック像

Image Control ウインドウで、ICONをクリックします。通常の2次電子像(電子顕微鏡像)を見るモードです。電位としては、平均値がコントラストとなって表示される(明るいほど電位が低い)。

4.2 ストローブ像

Image Control ウインドウで、ICONをクリックします。トリガがかかった時点での電位分布を見るモードです。動作中の特定タイミングでの配線の L/H が判別できます。このモードが意味を持つためには、サンプリング時間幅を、クロック周期/2よりも十分短く設定する必要があります。サンプリング時間幅の変更は、ICON アイコンを右クリックして変更します。

4.3 LSM (Logic State Mapping)

Image Control ウインドウで、ICONをクリックします。このモードでは、像表示画面の横軸をX座標と時間軸の重ねあわせとして表示します。少々解りにくいので、図4.1に説明図を示します。2次電子像の水平スキャンと同時に波形データを取り込み、その電位を濃度コントラストとして表示しているので、横軸の濃淡が、その配線の波形を表すことになります。図4.1の例では、2本の配線に同じ信号が乗っていることを意味しています。横軸の時間スケールは、Image Control ウインドウ下中央の時間スケールフィールドをクリックして変更できます。

LSM
図4.1 LSMの考え方

例えば、このモードで、クロックスキューのあるクロックラインを観測すると(3本ともクロックラインとする)、図4.2のように位相がずれて濃淡が現れることになります。LSMには、AreaモードとLineモードがありますが、ここでは、Areaモードを説明しています。横方向の配線が短い場合は、正式マニュアルでLineモードについて調べてください。

Observation of Clock Skew
図4.2 クロックスキューのある配線の観察



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