パラメータスイープ

  1. 半導体デバイスのモデルパラメータやL, C, R 等の素子値を{変数}で表す
  2. .step 命令で、変数の値を指定する
以上で、デバイスのパラメータを変えながらシミュレーションが繰り返される。下記の例では、R1の抵抗値を変数{RV}とし、R1の抵抗値を、.step で100, 200, 400, 800, 1.6k 3,2kの6段階に変更してシミュレーションを繰り返すことになる。.step のパラメータの指定方法を下記にまとめておく。

線形変化.step param 変数 初期値 最終値 変化分
指数変化.step {oct|dec} param 変数 初期値 最終値 1区間(1桁または2倍)の間の測定点数
リスト.step param 変数 list 値1 値2 ・・・

Figure

[参考] パラメータスイープは、シミュレーション結果の保存のために、多量のディスク容量を必要とする。デフォルトでは、シミュレーション結果ファイル(.raw)には、全てのノード電圧とブランチ電流が保存されるが、.save 命令で、保存するデータを指定すると、シミュレーション結果ファイルの容量を削減することができる。

.save 信号名1 信号名2 ・・・

例:
.save V(IN) V(OUT) I(D1)
により、ノードIN, OUTの電圧とダイオードD1に流れる電流だけ保存される。

温度依存性

温度をパラメータとするには、

.step TEMP list -50 -20 10 40 70 100 130 160
のような指示も可能だが、温度に関しては、より簡単な表記ができる。
.temp -50 -20 10 40 70 100 130 160
測定の自動化

シミュレーションにより得られたグラフから、最大値、最小値、平均値などの測定値を自動的に求める命令が用意されている。この命令を使用して、スイープしたパラメータと想定値の関係をグラフ表示することができる。手動ではかなり大変な作業を自動化できる。シミュレーション結果から、色々な値が測定出来るので、LTspiceのHelpで、.measure を調べておくとよい。

.meas 解析の種類 測定値の名前 測定内容 測定対象

AC解析で得られる電圧振幅 V(OUT) の特定周波数の値を測定し、パラメータを横軸としてプロットする例。

Transient解析で得られる電圧波形 V(OUT) のPeak-to-Peakの値を測定し、パラメータを横軸としてプロットする例。

グラフ表示の手順は少し変則的なので、覚えておく必要がある。

  1. メニュー: [View] - [SPICE Error Log]
  2. 測定値がLogウインドウに表示されるので、Logウインドウを右クリック - [Plot .step'ed .meas data] を選ぶと、横軸をパラメータとしたグラフが表示される


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