マクロモデルの追加

テキサスインスツルメンツ社の製品データシートページで公開されている演算増幅器のマクロモデル(動作モデル)をLTspiceで使用する場合を例として説明する。

[LTspice XVII]

LTspice XVII では、C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\libの配下にモデルファイルを保存できなくなりました。

  1. モデルファイルを、C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\sub または 回路図ファイルと同じフォルダに保存
  2. .lib ディレクティブを、モデルファイルのパスを含めて記述。
    上記libフォルダまたは回路図保存フォルダの中に、mylib というフォルダを作成して、その中にTL082.301.subを保存した場合の例
    .lib mylib\TL082.301.sub
  3. その他の操作は、下記のLTspice IVの操作と同じ。
[参考] LTspice XVIIでは、シンボルとモデルファイルのサーチパスを追加出来るようになりました。
  1. メニュー: Tools - Control Panel
  2. Sym. & Lib. Search Paths タブでパスを設定
[LTspice IV]

  1. テキサスインスツルメンツ社の製品データシートページでTL082 - ツールとソフトウエア - TL082, TL082A, TL082B Spice Macromodel をクリック
  2. ダウンロードした圧縮ファイルを解凍
  3. 解凍先/sloj070/TL082.301 というファイルを、TL082.301.sub にリネームし、C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\lib\sub ディレクトリ(フォルダ)に保存
    .SUBCKT で始まる行〜 .ENDS 行までがマクロモデルである
    *で始まる行はコメント行だが、出典や利用法が分かるようにコメントもコピペしたほうがよい
    [注意] 上記説明では、どの回路からも使用できるように、LTspiceの標準ディレクトリにサブサーキットを置いたが、回路図ファイル(.asc)を設計ドキュメントとして管理または配付する場合には、マクロモデルの記述ファイルも、一緒にしておかないと、後日、シミュレーションを再現することができなくなる。このため、サブサーキットやモデルパラメータのファイルは、回路図ファイルと同じディレクトリにコピーして使用したほうが安心。回路図ファイル(正確にはネットリストファイル)と同じディレクトリにあるサブサーキットやライブラリは、デフォルトで検索されるので、回路図中にパスを指定しなくてもよい。
  4. [Componentボタン] - [Opamps] - [opamp2] を選び、回路図エディタに配置
  5. opamp2のシンボルを右クリックし、Component Attribute EditorでValue に TL082 を入力
    Value(ここではTL082)は、マクロモデルファイルの内容を確認し、.SUBCKT に続く文字列(サブサーキット名)を指定する
  6. SPICE Directiveボタン(.opボタン)をクリックし、.lib TL082.301.sub (先程、C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\lib\subに保存したファイル名)を入力
  7. .lib命令を回路図エディタに配置
    .lib 命令は、本来は、.SUBCKT(マクロモデル)や.MODEL(デバイスパラメータ)を多数集めたライブラリから、回路図に指定されたものだけを呼び出してインクルードする
    複数のファイルを指定する必要がある場合は、.libを複数書いてもよい
    .lib は、ネットワーク上のマクロモデルやライブラリファイルをURIで指定することもできる
    でモデルの特性確認のためのDC解析
[参考] マクロモデルは、もともと精密な物理的モデルや実際の内部回路を組み込んだ構造モデルではなく、等価回路で表されたモデルなので、使用したい型番のモデルがメーカ等から公開されていない場合は、理想モデルに必要な特性だけ自分で組み込んだもので代用すればよい。使用したい型番のモデルが公開されていないからシミュレーションできないと考える必要はない。ただし、等価回路の作成には色々なテクニックが必要。より簡便なVerilog-AまたはVerilog-AMSといったアナログまたはミクストシグナル記述言語のLTspiceによるサポートを望む。

  1. [Componentボタン] - [Opamps] のメニューより、opamp または UniversalOpamp2 を選ぶ
  2. シンボルを右クリックして、Aol(直流オープンループ利得), GBW(利得帯域幅積) などのパラメータをデータシートに合わせて修正
    opampは、直流利得とGBWのみをモデル化したシンプルタイプ
    UniversalOpamp2は、スルーレート、出力インピーダンスなどを設定できる詳細版


お問い合わせはこちらまで: kitagawa@is.t.kanazawa-u.ac.jp

Copyright (C) 2012- Akio Kitagawa, Kanazawa Univ.