2000年 8月 |
このところ東京はひどい蒸し暑さですが、朝6時頃、上野公園に行くと、さすがに爽やかな夏の朝を楽しむことができます。決まったポイントがあるようですが、トウキョウヒメハンミョウと思われる小さなハンミョウが走りまわっています。なんとか撮影したいと思うのですが、人通りが多くて難しそうです。ハンミョウの撮影は、ひたすらそおーっと近づいて、静かに寝そべり呼吸を止めて、フォーカスを微妙に変えながら撮りまくる・・・です。
手乗りアゲハを育てているので知られている橋本篤志氏によると、アゲハ以外の蝶も室内で育てると全て手乗りになるそうですが、野生のキアゲハまでも、なついている!?!というお便りをいただきました。このキアゲハの話と写真が、こちらのサイトで公開されています。
2000年 7月 |
金沢大学近くの山に入り込み久々の撮影。いろいろなゼフィルスやオトシブミに出会うことができました。そして、所謂高等ゼフィルスの雄がキラキラ光りながら縄張り争いするのをはじめて見ることができ、とても感動しました。上手く写真に写っているとよいのですが。帰り道に材木置き場で網を持って昆虫の調査をしている学生を見つけたので、愛車(自転車)を止めて話しかけると、自分は金沢大学理学部の甲虫屋で、カミキリムシを探しているのだと説明してくれました。そこにいたのは、ヒメヒゲナガカミキリ他数種。彼にとっては普通種のカミキリムシでしたが、私にとってははじめて見る種類ばかりです。カミキリムシの産卵や、アベマキの材木に集るキノコムシやゾウムシを撮影するうちに、彼も初めて見るカミキリやタマムシが・・・、ということで、お互い成果を持って帰りました。金沢大学から10分もかからないところにこんな環境があるとは、理学部の学生が羨ましいかぎりです。
2000年 5月 |
蝶談会の嵯峨井様よりのお便り。
何故にギフチョウはこれ程に人気があるのか?
俗説ですが、産地によってギフチョウの顔が違います。確かに違います。前後翅の黄・黒色斑紋の現れ方によることによります。野外採集品よりこのギフは、「岐阜谷汲産」「金沢産」「岡山産」「広島産」「神奈川産」・・・・・・と、地域の湿度・温度差、降雪の有無、環境差、等々により顔が違うことにより集中採集されることになります。また、リュードルフィア・ライン周辺にヒメギフと混生することによる、自然雑種、前後翅の周辺に黄色い毛が現れる、いわゆるイエローバンド型、等々他種にない種々諸々の変異が人気のバロメーターに繋がるのでしょう。
故に、「ギフチョウ88ケ所」なる採集地案内本も発行されたりして、人気を煽ることにもなる訳です。同本に掲載された各県の代表産地は現状、惨憺たることになっているようです。
ちなみに同本の石川県のコーナーは、M氏が、第一発見者の了解を得て執筆したものですが、現地は、山の出入り口2箇所に鎖がかけられている現状です。つまり関東・関西からの採集人が大挙おしよせたことにより現地の地主のとった防衛策、山菜や栽培しいたけをついでに泥棒するムシヤ対策でしょう。全国いずれのギフ産地もほとんどこれと同様の措置が現地の地主により執られているようです。
ヒメギフチョウはなぜか、ギフのような地域変異は無いようです。せいぜい、エゾヒメギフ(北海道産)との差が有る程度のようです。
蝶談会の嵯峨井様よりのお便り。
昭和20年代、30年代のギフチョウは何故か小型のものが多いようです。百万石蝶談会例会で、一時この事に関し議論が沸きました。嵯峨井が実見した古い標本はまさしく小型でした。
今年の金沢ギフは何故か、ここ数年ものに比べ幾分小型です。昭和20年代、30年代のものに比較するとどうでしょうか?ところが石川チョウ屋はあまり金沢周辺のギフチョウを採集しないのです。金沢産のギフはもう食傷気味でゲップが出るものですから皆さんどなたもあまり採集しないのです。では、このギフシーズンは皆さん如何しているのかという事になりますが、石川以外の遠方地のラベルを求めて県外に乗り付ける訳です。話を元に戻しますが、小生会員のK氏の採集要請もあって金沢産ギフチョウをタップリ採集しました。その採集品の統計手法的な見地から本年モノは小型、あるいは以下の「黒化傾向について」も言える訳です。
金沢産のものは従来「黄色い」と言われていますが、今年は意外と「黒い」のであります。特に医王山(標高500m)のものが黒いです。黒く感ずるのはつまり「前後翅の黒色の帯が太い」のです。そして、前翅のY文字型に現れる黒紋が今年は丸くなるものが多く、中国地方・広島あたりのものに酷似しています。つまり、金沢産でも飼育すると「Y文字型黒紋が丸くなる」、これに近いものが採れているのであります。何故なのでしょうか?
蝶談会の嵯峨井様よりのお便り。
2000年の石川ギフチョウ初見日は4/1(土)でした。当日、小松市Yポイント、そして小松市Nポイント・・・・・・へとM氏、S氏、そして私が各々別々にガソリンの無駄使いをしながらいつの間にやら現地に集合という形になり、結局はちょっとの差で、嵯峨井・松井がYポイント駐車場沿いの山の斜面で1♂1♀確認したのが初見です。昨年のように「初見日当てっこのレース」もどきを松井氏主管でやるものですから、ついついそれに乗ってしまってレース優勝は結局嵯峨井でした。ちなみに昨年は3/24、金沢大学法学部の生田省吾先生でした。
ここ10数年の石川ギフ初見日一覧(松井作成の抜粋)と確認者名
1987.3.21 | 横山隆 | 1988.4.2 | 松井正人 |
1989.3.14 | 松井泰子 | 1990.3.10 | 嵯峨井淳郎 |
1991.4.4 | 嵯峨井淳郎 | 1992.3.14 | 松井正人 |
1993.3.21 | 松井正人 | 1994.4.3 | 嵯峨井淳郎 |
1995.3.24 | 生田省吾 | 1996.3.20 | 松田俊郎 |
1997.3.20 | 松井正人 | 1998.3.25 | 櫟原俊嗣 |
1999.3.24 | 生田省吾 | 2000.4.1 | 松井・嵯峨井 |
金沢近郊のギフチョウはここ5〜10年くらいは発生がかなり早く、以前は4月一桁発生が当たり前でした。今年のギフチョウの発生状況は従前の状態に戻った感じがします。 2月に四回の積雪、3月に一回の積雪があったことによるものと思われます。しかし、降雪があったといっても、36,38,55,56豪雪に比べれば比較になりません。38豪雪なんか一晩で1m50〜2m積もったのですから・・・・・この事(積雪による地域差)により 石川県内いたるところの産地で一斉に羽化発生していたものが、今年はダラダラと発生しながら標高を上げていく、採集者にとっては今週は何処何処、来週はあっちへと採集計画が組み立てやすくて便利であったと考えます。昨年などは金沢市内、一斉に発生したので大変でした。
蝶談会の松井様よりのお便り。
5月13日(土)午後
加賀海岸でツマグロヒョウモンを初観察しました。ボロの♀もいて、じゃんじゃん卵を産んでいました。
石川県に定着したかと思います。今年は、能登まで広がるかどうか、おもしろくなってきました。
2000年 4月 |
今年の金沢のギフチョウの所見日は3月25日と予想しましたが、見事はずれて4月に入ってからしか見られなかったようです。別に根拠があったのではなく、この日しか撮影に出かける時間が無かったので、自分の希望を述べたまでです。