3. ピン割り当て

  1. MAX (Measurement and Automation Explorer)による計測器の確認
    事前にMAXを使って、計測システムに接続されている計測器の名称と動作状態を調べておきます。

    1. デスクトップアイコンNI MAXまたはスタートメニューからMAXを起動
    2. 左欄の[デバイスとインターフェース] - [NI PXIe-1082 "Chassis"] を展開
      • 計測システムの筐体に搭載されているモジュール計測器とインタフェースのリストが表示されます。ここで、各計測器の動作状態の確認およびリセット、セルフテスト、キャリブレーションなどができます。とりあえず、スタンバイ状態にするために、リセットしておきましょう。
      • [インターフェース] - [NI PXIe-1082 "Chassis"] - [1:NI PCI-GPIB "GPIB0"] を展開すると、GPIBインタフェースに接続されている外部計測器のリストが表示されます。

      MAX

    3. 使用するディジタルパターン計測器とSMU (Source Measure Unit)の名前とスロット番号を確認
      スロット番号は、計測器モジュールが、筐体のどの位置に搭載されているかを表しています。実際のスロット位置は、筐体(PXIe-1082)の前面下部に示されています。

      今回使用する計測器の名前と筐体のスロット番号
      名前モデルスロット番号種類
      PXI1Slot2PXIe-41382SMU
      PXI1Slot3PXIe-41383SMU
      PXI1Slot7PXIe-65707ディジタルパターン計測器

  2. Digital Pattern Editorの起動とプロジェクトの作成
    先ず、計測プロジェクトを作成し、その中で各種の設定を作成します。

    1. デスクトップアイコンまたはスタートメニューからDigital Pattern Editorを起動
    2. メニューより、[File] - [New] - [Project] を選ぶ
    3. 左側 Project Files欄で、New (+ アイコン)をクリックし、リストボックスから [Pin Map] を選択
    4. Project name = Training, Location = Desktop として、Saveボタンをクリック
      次回からは、デスクトップに作成されたTrainingフォルダの中にある Training.digiproj というファイルをダブルクリックするとプロジェクトをオープンすることができます。

  3. Instrumentsの設定
    使用する計測器をプロジェクトに登録します。

    1. Pin Map Editor画面のPin Mapタブ内で [Instruments] - <Add Instruments Here> をクリック
      Pin Map Editorが開いていない場合は、Digital Pattern EditorのProject Files欄(左側)でPinMap.pinmap をダブルクリックします。
    2. Insert欄のDigital Patternボタンをクリックして、Name = PXI1Slot7, Number of Channels = 32 と設定
      PXI1Slot7 は、先ほど、MAXで確認しておいた計測器の名前です。
    3. 再度、[Instruments] - <Add Instruments Here> をクリック
    4. Insert欄のDCPowerボタンをクリックして、Name = PXI1Slot2, Number of Channels = 1 と設定
      このSMUの機種は、1チャネルのSMUなので、チャネル数を1に変更しておきます。
    5. 同様にして、Name = PXI1Slot3, Number of Channels = 1 の設定を追加
      この画面から分かるように、多くの種類の計測器にアクセスできるようです。

      Pin Map Editor

  4. Pinsの設定
    DUTのピン名を定義して、ピンマップ(DUTピンに対する計測器IOの割り当て情報)で参照できるようにします。

    1. Pin Map Editor画面のPin Mapタブ内で [Pins] - <Add Pins Here> をクリック
    2. Insert欄のDUT Pinボタンをクリック
      Name = A を入力。
    3. 同様にして全てのピン名(=信号名)を入力
      ピン名は、下図を参考にしてください。電源を2チャンネル使用してインバータとジョンソンカウンタに別々に電源を与えるため、VDD1, VDD2のピン名も作ってあります。共通電源でよければ、電源ピン名は1つでかまいません。

      Pin Map Editor

      [参考] 通常は、コア回路とIOバッファの電源電圧が異なるため、電源は2系統以上必要です。コア回路とIOバッファの電源電圧が同じ場合でも、後述のShmooプロットや消費電力の評価を行うためには、電源が2系統以上必要です。

  5. Pin Groupの設定
    同じ設定が適用されるピンをグループ化します。

    1. Pin Map Editor画面のPin Mapタブ内で [Pin Groups] - <Add Pin Groups Here> をクリック
    2. Insert欄のPin Groupボタンをクリック
    3. Name = INVERTER_IO を入力し、A, Y1, Y2, Y3, Y4, Y5, Y6 のチェックボックスにチェックを入れる
    4. 同様にして下図のようにグループ COUNTER_IO, Qを作成する
      CLKは、他のIOピンとは異なる設定にするため、COUNTER_IOには含めないようにします。また、Q3-Q0は、4bit値として扱うため、Qというグループにまとめています。

      Pin Map Editor

  6. Sitesの設定
    サイトは、複数のDUTを同時測定するとき、各DUTを区別するために割り振られる番号を指します。LSIを量産する場合や、ばらつき評価を行うような場合、多数のDUTに対して同じテストを行う必要があるので、サイトの機能を使用して、同時並列に測定を行うと、早く測定がすむというメリットがあります。ここでは、DUTを1個しか測定しないので、サイト0を定義しておきます。

    1. Pin Map Editor画面のPin Mapタブ内で [Sites] をクリック
    2. Number of Sites = 1 を設定
    3. Insert欄のSiteボタンをクリック
    4. 自動的に Site Number 0 が作成される

  7. Connectionsの設定
    DUTの信号名またはパッケージピン番号に対する計測器チャネルのアサイン情報を作成します。

    1. Pin Map Editor画面のPin Mapタブ内で [Connections] を展開
    2. [Instruments] - <Add Connections Here> をクリック
    3. Insert欄のConnectionsボタンをクリック
    4. DUT Pin = A, Site Number = 0, Instrument = PXI1Slo7, Channel = 3 をドロップダウンリストで選択
    5. 同様にして、下のピンアサイン表にある他のConnectionも作成する
      DUTピン対LSIテスタチャネルのアサインは、1対1にする必要があります。接続設定にミスがある場合は、下欄にエラーメッセージが表示されるので、指示に従って修正してください。下の図では、VDD1とVDD2の両方に、PXI1Slot2-Channel 0 が割り当てられているため、エラーとなっています。
    6. ウインドウ下右のOKボタンをクリック
      Connect to Instrumentsダイアログが表示されたら、Continue Disconnectedボタンを押します。まだ実際の接続はしないで、設定の続きを行います。

      Pin Map Editor

      ピンアサイン表
      DUT PinSite NumberInstrumentChannel
      A0PXI1Slot73
      Y10PXI1Slot74
      Y20PXI1Slot75
      Y30PXI1Slot76
      Y40PXI1Slot70
      Y50PXI1Slot71
      Y60PXI1Slot72
      VDD10PXI1Slot20
      CLR_B0PXI1Slot710
      PR_B0PXI1Slot711
      CLK0PXI1Slot79
      Q00PXI1Slot712
      Q10PXI1Slot713
      Q20PXI1Slot78
      Q30PXI1Slot77
      VDD20PXI1Slot30


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