1. 実習環境の準備

VLSI設計実習用の開発環境を作成する。以下、端末のコマンドプロンプトを vlsi> で表す。

[注意] 講義が終わったら、必ずCADツールを終了させて、CADサーバからログアウトすること。CADツールのライセンス数には上限があり、他のユーザがCADツールを使えなくなる。

  1. 実習データのコピーと解凍
    vlsi> gnome-terminal  &        //以下、gnome-terminal 上で操作
    
    vlsi> cp  /home/kitagawa/design/vdec800.tar  ~/
    vlsi> tar  xvf  vdec800.tar
    vlsi> mv  vdec800  ic1
    

  2. CADツール環境の設定
    vlsi> cd  ~/
    vlsi> mv  .cshrc  .cshrc.org
    vlsi> cp  /home/kitagawa/design/ex.cshrc   ~/.cshrc
    vlsi> cp  /home/kitagawa/design/ex.setlic  ~/setlic
    vlsi> source  ~/.cshrc
    

    以後、~/ic1 を作業ディレクトリとして使用する。作業ディレクトリに下記に示すファイルとディレクトリがあることを確認すること。

    vlsi> cd  ~/ic1
    vlsi> ls  -la
    

    ファイル, ディレクトリ名内容
    libraries設計データを保存しておくためのディレクトリ
    .cdsinitCadence社のCADツールのカスタマイズファイル

    また、ホームディレクトリに下記のファイルがあることも確認すること。

    vlsi> cd  ~/
    vlsi> ls  -la
    

    ファイル, ディレクトリ名内容
    setlicCADツール環境の設定用スクリプト

  3. CADツールのカスタマイズファイルの確認
    .cdsinit をテキストエディタで開いて内容を確認し、もし必要なら下記の修正を行う。

    vlsi> emacs  ~/ic1/.cdsinit  &
    

    ;; -------------------
    ;; Calibre Interactive
    ;; -------------------
    ;; linux calibre -2013
    ;;load(strcat(getShellEnvVar("MGC_HOME") "/shared/pkgs/icv.ixl/tools/queryskl/calibre.skl"))
    ;; linux calibre -2017
    load(strcat(getShellEnvVar("MGC_HOME") "/shared/pkgs/icv.aoi/tools/queryskl/calibre.skl"))  ・・・・この行頭に ; または ;; がある場合は削除すること
    ;; Solaris
    ;;load(strcat(getShellEnvVar("MGC_HOME") "/shared/pkgs/icv.ss5/tools/queryskl/calibre.skl"))
    
    

    のような部分を探し、上の記述と同じになっているか確認する。行頭の";"は、コメント行を表している。ただし、これはCADツールサーバのOSに依存するので、使用するホストに合わせて変更する必要がある。上記の設定は Linux 用。

  4. 環境設定の方法
    新しいターミナルを起動した時は、最初に次のスクリプトを実行して使用するCADツールに合わせた環境設定を行う必要がある。1つのシェルに対して1回だけ実行すればよい。

    vlsi> setlic
    
    を実行して、表示されるCADツール名称の前に付された番号を入力するか、CADツール番号を覚えていれば、
    vlsi> setlic 1
    
    のように、番号付きでsetlicを実行する。

    setlic script
    setlic の実行画面(表示されるCADツール番号やバージョンは、上記と異なる場合がある)

  5. UNIXコマンド
    大多数のハードウエアおよびソフトウエア開発環境はLinuxなどのUNIX準拠OSに依存している。UNIXのGUI(Graphical User Interface)としてX-Windowが提供されているが、ファイル操作やプログラムの起動は、CUI(Character-based User Interface)で行うため、基本コマンドを覚えておく必要がある。頻繁に使用するコマンドを下の表に示す。なお、GUIファイルマネージャも用意されているが、初心者が使用すると問題を起こすことが多いため、ここでは使用しないこと。

    CommandOperation
    gnome-terminal &ターミナルの起動
    TABキーコマンドやファイル名の補完
    Up-arrowキーコマンドヒストリーを遡る
    Down-arrowキーコマンドヒストリーを前に進める
    emacs ファイル名 &ファイル名を指定してテキストファイルを開く
    pwdカレントディレクトリのパスを調べる
    cdカレントディレクトリの変更
    lsカレントディレクトリ内のファイルリストを表示
    ls -lカレントディレクトリ内のファイルリスト属性とともに表示
    ls -aピリオドで始まる隠しファイルを含めて、カレントディレクトリ内のファイルリストを表示
    ln -s path stringファイルやディレクトリへのシンボリックリンク(ショートカット)を作成
    cp ファイル名-1 ファイル名-2ファイル-1をファイル-2の名前でコピー
    mv ファイル名-1 ファイル名-2ファイル名-1をファイル名-2のファイル名に変更。ディレクトリにも適用可能
    rm ファイル名指定したファイルを削除
    tar cvf ファイル名.tar ディレクトリ名ディレクトリの内容で、ファイル名.tarのTAR形式アーカイブファイルを作成
    tar xvf ファイル名.tarアーカイブファイルの解凍
    gzip -f ファイル名指定しファイルをzip形式でデータ圧縮
    gzip -d ファイル名指定しzip形式の圧縮ファイル(通常、拡張子は .gz)を解凍
    less ファイル名指定したテキストファイルの内容を表示。終了はqキー


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