2. 統合環境の起動と新規ライブラリの作成

ここでは、Cadence社のVirtuosoという設計統合環境を利用する。

  1. 統合環境の起動

    vlsi> cd  ~/i
    vlsi> setlic 1  (Virtuoso用の環境設定番号を指定)
    vlsi> virtuoso &  (統合環境の起動コマンド)
    
    Fig.2.1
    Command Interpreter Window

    上記の起動コマンドにより、CIW (Command Interpreter Window) というウインドウが現れる。下部に1行の入力窓が用意されており、ここにコマンド入力することにより全ての操作を行えるが、ここでは、メニュー等を使用してGUIにより操作を行う。CIWのメニューから、[Tools]→[Library Manager...]を選んで Library Manager を起動する。ここで言うライブラリとは、各種の設計データをまとめたものであり、Library Managerによって管理を行う。ライブラリのデータは、下表のような階層構造となっている。

    階層構造例説明
    Librarykanazawa設計データ全体
    CellINVNAND2回路モジュール
    ViewschematiclayoutsymbolschematiclayoutsymbolCellの表現形式

    Fig.2.2
    Library Managerの画面構成

    LibraryおよびCellには任意の名前を付けることができる。Viewにおけるschematicは回路図、layoutはレイアウト図、symbolは回路記号、behavioralはHDL記述を表す。その他、レイアウトから抽出したネットリスト(extract)や回路シミュレータ用のデバイスパラメータ、シミュレーション条件の各種設定等も同様にViewの一種として一括管理することができる。

    試しに、Library Managaer を使用してデータを開いてみよう。下記の表のデータのView欄のSchematicをマウスの右ボタンでクリックする。ポップアップメニューが表示されるので。Open...を選択すると、回路図エディタに回路図が表示される。ライブラリマネージャから、他の設計データを開くときも、この方法で行うので憶えておこう。INV(インバータ)とNAND2(2入力NAND)の回路図が正しいことを確認する。トランジスタの寸法は、回路図のトランジスタ記号の傍らに表示されている。回路図のトランジスタ寸法とレイアウト図のトランジスタ寸法が一致していないと、レイアウト-回路比較(LVS)を行う際にエラーとなることに注意。回路図を確認したら、回路図エディタのメニューから、[File] → [Close All]を選んで回路図エディタを閉じる。

    Librarykanazawa
    CellINVまたはNAND2
    Viewschematic

  2. ライブラリの作成

    ここでは新規に ic1 というライブラリを作成し、この中で設計データを保存する。Library Managerのメニューより、[File] → [New] → [Library...]を選ぶと、New Libraryフォームが表示される。Name = ic1, Directory(保存用ディレクトリ) = libraries (正確なパスは、~/i/libraries)として、OKボタンをクリックする。Technology File for New Libraryフォームが現れるので、Compile an ASCII technology file にチェックしてから OK ボタンをクリック。Load Technology Fileフォームで、Browse...ボタンをクリックし、rohm180technology_ic6.tf を選び、Choose ボタンをクリックして、Load Technology FileフォームのOKボタンをクリックする。テクノロジファイルのロードに成功した旨のメッセージが表示され、Library Manager の Library欄にライブラリ ic1 が表示される。

    Fig.2.3
    New Libraryフォームの設定


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