C-V特性のシミュレーション

回路の動作速度は、負荷容量によって左右されるため、回路設計の前に、使用する素子の寄生容量や負荷となる回路の入力容量の値を知っておく必要があります。また、LC共振型VCOでは、MOSFETのゲート容量で発振周波数レンジを決定します。半導体デバイスや電子回路の容量は、通常のキャパシタとは異なり、DC電圧によって値が変化するため、DC電圧に対する小信号容量 C(V) = dQ/dV = i/(dV/dt) で定義されます。市販のC-Vメータには、測定レンジや測定周波数によって、いろいろな方式の測定回路が使われていますが、電子回路シミュレータの場合は、測定対象デバイス(DUT)に対して、小信号電圧を加え、電流の実部と虚部を測定すれば、小信号容量を算出できます。

1. 小信号容量の計算法

キャパシタンスのリーク電流が無視できる場合、DUTの小信号等価回路は、下図のようなCR直列回路で表せます。

この回路方程式を、電流IGの実部と虚部で表すと次のようになります。

小信号 VG の振幅 = 1V, 位相 = 0 とするとき、以下の(1), (2)が成り立つため、RとCを求めることができます。

2. MOSFETのC-V測定回路

n-ch および p-ch MOSFETのゲートソース/ドレイン間容量の測定回路例を次に示します。測定周波数は、1MHz、直流電圧は、-1.5V〜+1.5V としています。


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