3. 統合開発環境の起動

ミクストシグナル設計では、Verilog等のディジタル設計ツールとSpectre等のアナログ設計ツールの両方を同時に使用するため、setlicを2種類行う。

vlsi> cd  ~/d
vlsi> setlic 2
vlsi> setlic 1
vlsi> virtuoso &  (統合環境の起動コマンド)

以上により、集積回路工学第1のレイアウト実習のときと同じくCadence社のCIW (Command Interpreter Window) が現れる。

Fig.2.3
Command Interpreter Window

CIWのメニューから、[Tools]→[Library Manager...]を選んでLibrary Manager を起動する。Libraryは設計データ全体であり、Cellは回路ブロックのデータを表している。Cellは複数のViewを持つことができる。例えば、ライブラリ sample_kanazawa に含まれるセル inv は、回路図(schematic)、Verilog-HDL動作記述(behavioral)、回路記号(symbol)のデータを持っている。さらに、フルカスタム設計方式で設計を完成させるためには、レイアウト図(layout)のデータも必要となる。この他に、多くのViewが定義されており、必要に応じて使い分けることになる。ここでは新規に digi というライブラリを作成し、この中で設計を行う。Ligrary Managerのメニューより、[File] → [New] → [Library...]を選ぶと、New Libraryフォームが表示される。Name = digi, Directory = libraries (正確なパスは、~/d/libraries)として、OKボタンをクリックする。Technology File for New Libraryフォームが現れるので、Compile an ASCII technology file にチェックしてから OK ボタンをクリック。Load Technology Fileフォームで、Browse...ボタンをクリックし、rohm180technology_ic6.tf を選び、Open ボタンをクリックして、Load Technology Fileフォームをクリックする。テクノロジファイルのロードに成功した旨のメッセージが表示され、Library Manager の Library欄にライブラリ digi が表示される。

ライブラリの構成例
階層の名称構造例説明
Librarykanazawa設計データ全体
Cellinvnand2回路モジュール
ViewschematicbehavioralsymbolschematicbehavioralsymbolCellの表現形式

Viewの例
View説明
schematic回路図
layoutレイアウト図(今回は使用しない)
extractedレイアウトから抽出した回路図(今回は使用しない)
symbol回路図記号
functionalVerilog-HDLの構造記述(論理合成後のVerilog-HDL記述)
behavioralVerilog-HDLの動作記述(論理合成前のVerilog-HDL記述)
verilogaVerilog-A記述
configコンフィグレーション(使い方は後述)
adexlシミュレーション条件や評価結果のデータ


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