概要
スマートフォンには、各種のセンサが装備されており、これだけでもアイデア次第で色々なアプリケーションが考えられますが、さらに、独自のハードウエアにより機能拡張すれば、応用範囲が大きく広がります。スマートフォンやタブレットには、外部デバイスと接続するための高性能な無線通信機能が標準で装備されています。これを利用して、独自に製作したガジェットを、スマートフォンやタブレットに繋ぎ、さらに、インターネットにも容易に無線接続できます。先ずは、練習としてスマートフォンのBluetooth (IEEE 802.15.1)を利用したアプリケーションTobaccoを作成してみます。Tobaccoは、スマートフォンから数10m圏内のデバイスと無線接続し、データやコマンドを送受信する機能が実装されています。次に、センサ回路、ユーザインタフェース、スマホ機能やインターネットとの連携に工夫を凝らして、自分だけのアプリケーションを作ってみましょう。
チュートリアル
開発環境の導入手順および基本技術を紹介します。Tobaccoというプロジェクト名には特に意味はありませんので、好きなプロジェクト名に読み替えてください。ここで紹介している回路やプログラムには、バグが残っていると思いますので、練習のためだけに利用してください。
- Androidアプリケーション開発環境
- PSoCファームウエア開発環境(PSoC1用)
- PSoCファームウエア開発環境(PSoC3~)
- Androidアプリケーションの作成
- PSoCマイコン基板の製作
- PSoCファームウエアの作成
- 自作センサボードとスマートフォンの無線接続
- ヘルプの作成、WWWブラウザ、データ処理、グラフ表示
受講生へのお願い
- 受講者には、90分x15日=約1日のスピード開発が求められるので、あえて仕様書の作成をスキップしていますが、通常のシステム開発では、最初に機能と性能を定義する仕様書を作成します。厳密な仕様書があれば、試行錯誤がなくなり、複雑なシステムの開発でも、失敗する確率が低くなるためです。しかし、アイデアを思いついたらすぐに作って試してみるという姿勢も大切です。失敗しながら試行錯誤を繰り返す過程で、発見をしてください。
- 受講者の製作を見ていると、回路図を描かずに配線したり、フローチャート無しにコーディングをする人が多いようです。その状態でバグを見つけるのは不可能に近いですし、根本的に回路構成が誤っている場合もあります。手書きで十分なので、回路図やフローチャートを書いてから製作に取りかかってください。
- 受講者の皆さんの作品や技術は、是非インターネット上で紹介してください。
- 作業日誌
- プリント基板の設計
- マイコンブ (ifDL)
参考書
- 金宏和寛著, 作ればわかる!Androidプログラミング, 翔泳社, ISBN978-4-7981-2433-9
- 小林一行, 鈴木郁著, PSoCマイコン活用術, オーム社, ISBN978-4-274-20730-3
- 塚田翔也, はじめてのAndroidアプリプログラミング, マイナビ, ISBN978-4-8399-4100-0
- 米山学著, 悩まない&つまずかない Java教科書, 翔泳社, ISBN978-4798108155
お問い合わせはこちらまで: kitagawa@is.t.kanazawa-u.ac.jp
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